2018年6月25日から7月9日まで、カナダ・ ブリティッシュコロンビア州コルテス島で行われた、ジュディス ・ウィーバー博士によるセンサリーアウェアネスワークショップに参加された方の体験記、許可をいただきましたのでこちらに掲載いたします。先日の体験記①に引き続き、それぞれの参加者の方が体験された豊かさが、読んでくださる皆さんにも響きますように。
Everything is my teacher 代田敬子
カナダ・コルテス島における2週間のセンサリーアウェアネスのワークショップが終わった。
コルテス島で過ごしたすべての時間が自分と世界に対する気づきのトレーニングだった。
世界はいつも様々な形で私たちにコンコンとノックしてくる。
あふれるほどの情報とものすごいスピードで流れる日常の中で、そのノックに私たちは反応することに
手一杯の状態な気がする。
きっとそのノックは「こんなのどうかしら?」という世界からの提案で
(中にはとんでもないレベルのノックもあるけれど)、
そのノックに対する自分の感覚に気づき、そこから選択することが大切なんだと思う。
日常から離れ、ゆっくりとした時が流れる中で、普段とは違う不自由さと豊かさを体験しながら、
自分の感覚への気づきを深めることができた。
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岩だらけの海岸は、私にバランスの取り方と歩くべき道を自分で探す方法を教えてくれた。
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木々は植物にも体温があり、それぞれ温度が違うことを教えてくれた。
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当たり前のようにやってくる野生の動物たちは、彼らとの距離の取り方を教えてくれた。
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自然の中で出会う生き物たちは、決して人間が中心ではないことを教えてくれた。
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屋外の扉のないぼっとんトイレは、すべては循環していることを教えてくれた。
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桶で手洗いする洗濯は、絞り方が甘いとどうなるか教えてくれた。
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天気の移り変わりは、温度や湿度、陽の光が私たちにどういう影響を及ぼすのかを教えてくれた。
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初めて出会った他者との共同生活は、自分の中に起こるストレスや緊張を、そして、
他者がいるからこそ感じる楽しさや引き出される力があることを教えてくれた。
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一緒に過ごした子どもたちは、どういう環境であっても自分でいることの大切さを教えてくれた。
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カナダやオーストラリアからの参加者は、日本人とは違うその場での在り方を教えてくれた。
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切れない包丁、取り扱いの難しい調理家電は、道具との付き合い方を教えてくれた。
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限られた材料と限られた手段の中でつくるごはんは、私のクリエイティビティを引き出してくれた。
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静かな森は、誰にも遠慮することなく全身から出したときの声ののびやかさと美しさを教えてくれた。
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コルテス島で出会った様々なアート作品は、私がどんなものに惹かれるのかを教えてくれた。
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通訳のいる1週間といない1週間は、それぞれの場が持つ豊かさを教えてくれた。
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ワークショップを主催するジュディス博士は、私たちが自分の感覚により深く、より繊細に気づけるように、
様々な場と機会を与えてくれた。
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2週間という時間は、私が今ここにいることの難しさと豊かさを教えてくれた。
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出会った自然、生き物、人々、起こる出来事、時間…すべてが先生。
そして、それはいつでもどこでもどんなときも。